中国版Juulの電子タバコスタートアップRelxの時価総額は約2600億円

中国版Facebook、中国版Airbnb、中国版Uber・・・これまでアメリカで大きな注目を浴びるような新産業のユニコーン(時価総額1000億円以上の非上場企業)は必ずと言っていいくらい、中国版と呼ばれる企業が出てきていました。

電子タバコの世界でも同じようなことになっているのですが、中国版Juulは聞いたことがないのでは、と思います。

ちなみに今回ご紹介するRelx、電子タバコ・スタートアップの本家、Juul自体は、ユニコーンとしては世界3位の規模になっています。

出典:CBinsight

Relx technology(悦刻)とは

RELX Technologyの設立は2018年1月。Huawei、O’real、P&G、Uberと言ったマーケティングで著名な企業とテクノロジーに定評がある企業の出身者が設立した会社です。正式にスタートしたのは2018年4月で、2019年上半期に中国の電子タバコの国内シェアの44%を占め、2019年8月時点での国内市場シェアの60%以上となっています。また、研究開発にも力を入れており、電子タバコ関連の20を超える国際特許を保有しています。

製品は写真にあるように、Juulチックというよりは、POD型としては一般的な形状の電子タバコを販売しています。

中国のタバコ市場

中国国内の喫煙人口は3億5,000万人で世界シェアの4割を占める最大規模のタバコ市場となっています。ただ、中国のタバコ市場は、国営企業である中国烟草総公司/China National Tobacco Corp (CNTC)が一社独占の市場です。2018年には中国の全税収の5.45%がタバコ関連、CNTCを経由したものとなっています。

独占状態であるが故に、中国の電子タバコ市場、他の先進国に比べてゆっくりと成長しています。 市場調査会社Euromonitorによると、その市場はアメリカの約9分の1の規模です。

こういった状況の中で、電子タバコの新興企業達は、中国国内に莫大な潜在市場があると見ています。RELX以外には、FLOW(福禄)、MOTI(魔笛)の2社でTOP3を形成している状況です。また、国内での消費は進みませんが、生産面で言えば、中国の工場が世界の電子タバコの95%を製造しています。

もちろん、その殆どが輸出されていますが、世界最大の生産力を持つ企業が、世界最大の市場を目の前にしているという歪な状況でもあると言えます。

資金調達の状況

2018年7月に、RELXはSequoia ChinaおよびSource Code CaptialによるシリーズAとして553万ドルを受けています。

2019年7月に入って、24億ドルの評価で新たな資金調達を終えています。投資家の中にはロシアのユーリ・ミルナーなどが含まれています。

中国の規制に関して

2017年5月、中国規制当局は、いわゆる加熱式の電子タバコの規制を始め、フィリップモリスは、IQOSの中国販売を諦めています。

リキッド型の電子タバコに関しては、具体的な政策は発表されていないようです。

以上、日本語情報はあまりない、Relxについて簡単に説明してみました。

この企業に関しては引き続き追いかけていきたいと考えています。

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