イギリスで10代の少年の生命に関わる電子タバコの珍しい症例が報告される

ロンドンで16歳の少年が電子タバコの使用が原因で呼吸不全に陥った。これはイギリスでは表に稀なケースであるが、医師は電子タバコが一部の人々にとっては生命を脅かすような肺の状態を引き起こす可能性があるとして警告している。

この10代の少年は、発熱、継続的な咳に加えて呼吸困難が約1週間続き、当初は喘息が疑われていた。
しかし、病院で彼の状態が悪化し、少年が呼吸不全になった後、医師は彼が過敏性肺炎(肺の気嚢と気道に炎症が起こる)に苦しんでいることを発見した。
原因は「電子タバコのリキッドに含まれる化学物質の1つに対する免疫反応の過剰反応である可能性が高い」と医師は公表している。
 
「このケースから学べる重要な教訓が2つある。1つ目は、通常見られない呼吸器系の症状がある患者に関しては、電子タバコへの反応を常に考慮に入れる必要があること。2つ目は『電子タバコがタバコよりも安全』と考えることは危険だということだ。」と医師は小児科の専門誌に掲載された症例の報告書の中で述べている。

この事件は、2017年5月に発生し、アメリカでの電子タバコ関連の疾病が広がるより前の事例だ。医師は少量の電子タバコのリキッドで少年の皮膚の反応性をテストし、結論に至る筋道を立てた。病院で35日間過ごした少年はその後回復し、彼の肺は14か月後に正常に戻っていた、と報告書には書かれている。

医師は、病気の原因を特定することはできないと付け加えていまるが、少年は使用していた2種類の電子タバコリキッドの内1種類に対する抗体が多いようで、これが引き金となった可能性を高いという。

ニコチン含有量と広告に関する規制が強化されているイギリスでは、電子タバコ関連の病気の発生は起きていない。この為、電子タバコのリスクに対する姿勢は比較的緩やかだ。現在も電子タバコは、成人が可燃性タバコをやめる方法として受け入れられており、イギリス保健当局も禁煙ツールとして支持している。

イングランド公衆衛生サービスによる2018年の調査では、電子タバコは従来のタバコを吸うよりも危険性が95%少ないことを発見し、毎年20,000人の禁煙を助けていた。調査担当者は、喫煙者の半数以上が「電子タバコは従来のタバコと同じくらい有害であると誤った情報を信じていた」と懸念していた。

イギリスのタバコ・アルコール研究センターのディレクターであるジョン・ブリットンは先の報告書に関して次のようにコメントしている。

「何が起こったのかは明確ではありませんが、吸入物質に対するアレルギーのように見えます。世界中で電子タバコに関する症例の中でこのケースは非常に稀なですが、電子タバコの弊害としてこのような症例が起こると結論付けることはできると思います。ありがたいことに非常に稀なケースです。当然懸念すべきであり、リスクを認める必要がありますが、絶対的な数で言えば、極めて少ないケースです。そして喫煙の弊害よりは決定的に少ない数です。アドバイスは変わりません。禁煙しよう、禁煙しよう、です。」

ブリットンは、電子タバコは従来のタバコよりもずっと安全だと考えるべきではないという著者の結論に「強く」反対すると付け加えた。「喫煙は長期の喫煙者の半数を殺します。今回のような稀なケースでも認識される必要がありますが、比較にはなりません。電子タバコの危険性ははるかに低いです。」

参考:CCN

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