今回の研究も決定的な健康被害の原因を特定出来たわけで無い。
先週、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、マリファナの主な精神活性化合物であるTHCを含む製品が健康被害に関与していると可能性はあるが、決定的な証拠は無いという声明を出した。
これに続いて、Mayo Clinicの研究者グループによって実施された独自の研究結果がまた少し前進をもたらした。研究内容は、一定数のサンプルの肺生検*の最初の研究で、研究者グループは電子タバコを吸った後に病気になった患者から採取した17個の組織サンプルを分析した。
*生検は「生体検査」の略。病気の診断のために生体の組織片を切り取って顕微鏡などで調べる検査。
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研究者グループは、有毒な化学物質、ガス、または他の物質に晒された際に起こるものと同様の肺損傷の兆候を発見した。
「電子タバコ関連のケースで私たちが目にしたのは、タバコ喫煙者やこれまでのマリファナ喫煙者の事例では見たことのないある種の深刻な化学的損傷だった。」とMayo Clinicは述べている。
17回の生検の結果は必ずしも800人の集団発生の全てにに当てはまるわけではなく、研究者はどの化学物質が肺の損傷を引き起こしているのかを正確には特定出来なかった。ただ、電子タバコ関連の病気の原因について、主流となっている理論に疑問を投げかけたことは大きな発見だ。
新しい研究は、これらの物質の吸入が肺の損傷を引き起こしているという考えを完全に否定するものでは無いが、その理論に疑問が出てきたとしている。脂質の蓄積の代わりに、肺炎の徴候である気道の損傷を発見し、「1種類以上の毒性物質」を吸入した後に収縮したように見えたということだ。
この研究は重要な前進であるが、研究者グループは「明確な原因は不明のままである」と警告している。調査が続くにつれて、多くの州が電子タバコ製品を禁止し、CDCは少なくとも病気の数が増えている原因を特定するまでは、電子タバコを使用を控えるように呼びかけている。
参考:TIME