アメリカでの電子タバコのマーケティングには大量のTwitter「Bot」が使われている

電子タバコのマーケティングの多くには、「Bot」と呼ばれる自動化されたソーシャルメディアアカウントがある。その多くは、電子タバコを従来のたばこよりも健康的な代替品として、”不正確で企業側にとって都合の良い”情報を発信している。

The Public Good Projects(PGP)からのレポートによると、このようなアカウントは、タバコやタバコ製品に関するすべてのTwitterトラフィックの80%近くを生み出し、未成年者向けの情報が多いとされている。投稿には電子タバコに関する誤った情報が含まれることが多く、科学者や公衆衛生機関、疾病管理予防センター、食品医薬品局などの公衆衛生非営利団体の信用を傷つけることも目的としている。

公衆衛生の結果を改善することに専念する非営利団体であるニコルソン財団が支援するPGPは、2019年2月1日から2019年6月1日までの130万件のツイートを分析した。

「これらは、誤った情報を伝えたり、広めたりする、極めて強力なマーケティング手法であり、若者を新しいニコチン中毒者にする燃料となっている」

電子タバコの使用は、米国のティーンエイジャーの間で2011年の1.5%から2018年の20.8%に急激に増加している。一方、禁煙ツールとしてのデバイスの有効性は証明されていない。いくつかの研究は、電子タバコが若者をニコチンに夢中にさせる可能性があり、後に従来のタバコを吸い始めることさえ示唆している。

この調査ではボットの背後にいる関係者を特定していませんが、一部の専門家は、アカウントの多くが小規模の電子タバコ製造業者と小売業者に属していると疑っています。

American Vaping Associationの会長であるGreg Conleyは、これらの種類のアカウントには本当のフォロワーがほとんどいないため、Botによって生成されたツイートは「本質的に意味がない。このレポートはツイートの量を実際のエンゲージメントと間違えている。」と述べている。

「Botは月に数千のツイートを吐き出すことができまるが、フォロワーが少なく、エンゲージメントが少ない場合、ツイートは本質的に無意味だ」と彼は指摘する。

ジョージア州立大学学校・健康管理政策の准教授、Jidong Huang博士はそれを否定する。

「問題はフォロワーの数では無い。なぜなら、そもそもBotアカウントをフォローしている人は多くないからだ。露出を増やす為に、常にTwitterにコンテンツを投稿しているのだ。人々が『電子タバコ』を検索すると、リンクが表示され、ウェブサイトに飛ばすことを狙っている。」

ソーシャルメディアでの電子タバコのマーケティングに関する独自の研究を行ったHuang博士は、分析したツイートのほとんどが商業販売を促進するためのものであったと付け加えた。

「Botのコンテンツのほとんどが電子タバコに好意的であり、特定の電子タバコデバイスを宣伝するWebサイトにリンクしていることがよくある。『Botのつぶやき』は、従来のマーケティングよりも安価であるため、スタートアップやオンライン特化の電子タバコベンダーの間で一般的だ。」

参考:CBS NEWS

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