なぜ2019年からEVALIが流行したのか?CDCの最新報告で言及

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)が発表した新たな報告によれば、数千人が病気になっている電子タバコ関連の肺疾病(EVALI)の原因としてビタミンEアセテートが関連するという新たな証拠が見つかった。また、今年突然病気が流行した理由を解明する手がかりにもなる情報だが、専門家は他の潜在的な要因を除外するにはまだ早すぎると警告している。

ビタミンEアセテートは、一部の電子タバコ用のリキッドで添加剤または増粘剤として使用されいるが、ミネソタ州でEVALIにかかった患者の内12人中11人が使用していた電子タバコに含まれているのが発見された。これらの製品にはすべて、マリファナに高い影響を与える成分であるTHCも含まれており、大部分のEVALIの患者も使用している。

今月初め、CDCは、2,290人を苦しめている、EVALIの発生において、ビタミンEアセテートを「懸念される潜在的毒素」として特定していた。 CDCによると、このアウトブレイクに関連した死者は47人になっている。
CDCが今月初めに発表した分析で、10州でEVALIの患者29人から採取した肺液のサンプル全てからビタミンEアセテートが発見されている。保健当局は、動物実験などでこれらの調査結果を確認する必要があると述べてる。

サプリメントやスキンクリームでよく使用されるビタミンEアセテートは、飲み込んだり、局所的に使用したりしても害を及ぼすことはないようだ。しかし粘着性物質を吸入すると肺機能を損なう可能性があることを示す研究もある。ビタミンEアセテートがアメリカの電子タバコ利用者の間でどれほど使われていたかは明らかでは無い。

新しい報告の中では、「なぜ、病気が長年にわたって流行していた2019年に始まったように見えるのか?」という疑問に対するヒントもある。

ミネソタ州の保健当局は、2018年に法執行機関によって押収された10個のTHC含有電子タバコと19年に押収された20個の製品を検査した。 2018年に押収された製品はいずれもビタミンEアセテートが検出されなかったが、2019年の製品からは全て検出された。研究者らは、「ビタミンEアセテートが希釈剤または充填剤として最近導入された可能性がある」としている。

ただ、この検査結果、EVALI患者が使用した様々な電子タバコのごくわずかなサンプルの検査結果でしか無い。報告では、吸入されたビタミンEアセテートがEVALIの症例を直接引き起こしているかどうかを判断するために、より多くの研究が必要であると述べている。 CDCは、他の考えられる原因を除外するのは時期尚早だとしている。

保健当局は、一般市民に対し、電子タバコを、特にTHCを含む製品や非正規ルートから購入した製品の使用を避けるよう促している。

参考:STAT

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